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 我々は宇宙的誕生の時代にさしかかっている
                 (3)       2月3日

セツブンソウ(節分草) //キンポウゲ科セツブンソウ属。絶滅危急種。節分の頃、限定で花が咲く。花の直径は2センチくらい。地中に直径15ミリくらいの球状の塊茎があり、それから数本の茎がかたまってでる。花弁は退化し黄色い蜜腺状になっている。小さな花なので人目につきにくい。そのためか花言葉は「人間嫌い


▼アポロ9号のパイロットだったラッセル・シュワイカート博士の話を続ける・・・

<もし、この地球を本当に生きている生命体だとするならば、子孫をつくるということも必ず起こるはずです。そういう意味で、我々の母なる地球はいま妊娠8〜9ヶ月の体になっているといえます。子宮の中で育まれてきた我々人間は、今や誕生間際まで成長しています。生きるのに必要な栄養分もどんどん増加するし、排泄物も急カーブで増えています。そして妊娠9ヶ月にもなると、もうすべての条件が今や子宮の外に生まれ出なければならないときにきているのです。
▼もうひとつ別の見方をするなら、子宮の中の赤ちゃんと母親の関係は、最初は母親から赤ちゃんに一方的に生きる力が与えられるというものです。ところが誕生の後は、その関係が双方向に変わってくるのです。そこから、双方向の愛が芽生え、責任感も生まれてくるのです。だから子宮の外へ出ることを恐れてはならないのです。
▼赤ちゃんが生まれるのを怖がって、子宮の中に11ヶ月、12ヶ月としがみついたままでいることを想像してみてください。これはひどいことになってしまう。お母さんも赤ちゃんも死んでしまうことになりかねない。
 このプロセスを考えてみると、この地球に生きとし生ける我々すべてのものが、今まさに“コズミック・バース” 宇宙的誕生の時代にさしかかっているんだと思うのです。>(「地球交響曲」より)

40億年前に地球に誕生した生命(もしかしたら地球に降り立ったといった方がいいかもしれない)は、自分と同じものを単純に複製することで遺伝子を未来へと繋いでいた。やがて異質な機能をもつものどうしが互いの機構をユニットとして合体し高エネルギーを獲得するシステムを獲得した。(ミトコンドリアと古細菌の共生のはじまり)、そのシステムを利用し生命はわずかに違ったもの同士をセックス(性)によって結びつけさまざまな環境に対応できるオプションを無数に獲得していった。そして、そうした内の技術革新が飽和点に達した時、海というこれまでの環境とは全く違う陸地へあがるという大冒険にでる。そしてそこでの数億年にわたる技術革新の末に、ついに今、生命は重力の呪縛を振り払い、宇宙へと広がろうとする。そこは想像を超える過酷な環境だが、そこでの生命はさらに形を変えて、遺伝子を宇宙へと広げていこうとする、それはもはや止めることもできない大きな生命潮流なのだ・・・宇宙の限りない膨張と併走して、生命もかぎりなくその多様性を広げる旅をつづける宿命にあるのにちがいない。

牧野博士の庭園でみつけた節分草、黒い大地からひょっこり顔を覗かせる可憐な花だ。土にへばりついて可能な限りカメラを近づけた。退化した黄色い花弁が規則正しく円状に並び、何やら宇宙基地のの着陸案内灯のように見える。(つづく)

                          2003年2月3日
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