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  妖精の瞳            4月6日

ボケ(木瓜)/バラ科ボケ属。高さ2mほどの落葉低木で、根元近くから分枝している。花は数個ずつ咲き、葉よりも先に開く。雄花と雌花がある。花は赤が多いが、白、淡紅、濃緋色などのほか八重咲き品もある。果実は黄熟し独特の香りがあり果実酒によい。ボケの仲間は少なく、中国と日本に三、四種類しかない。日本のものはクサボケといい、中国のものはカラボケ(唐木瓜)という。カラボケは中国中部に自生し、日本へは平安時代にすでに渡来していた。
花言葉は 妖精の輝き


▼息を殺した砂漠の街のメインストリート、
茶色い砂塵の彼方から、巨大な鉄の塊が転げながらやってくる。
見え隠れする殺戮、戦車の中から
銃口を向けるのは19歳の少年兵、
つい数ヶ月前までハンバーガーとコーラを掴んでいた指先は、
今、恐怖と殺意に震えている。


一瞬、遠くの窓のカーテンの隙間が光った。氷の緊迫の中で少年の指先に力が入る。

窓の闇に光ったものが幼い少女の瞳だと悟った瞬間、
少年の背中に再び氷のような恐怖が走った。

闇の中から食い入るように見つめる妖精の瞳、
その先にテキサスのハンバーガーボーイが凍りついている。

▼首都バグダッドの市街に米軍の戦車隊が侵攻した。中心部は平静だと報じられる。いや・・・
皆、部屋の中で、地下シェルターの中で、じっと過ぎ行くのを待っているのだ。数百万の瞳が息を殺して事の行方を見つめている・・・・

     

                     2003年4月6日                  
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