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  劇場戦争   2003年4月8日

ユキヤナギ(雪柳)/バラ科シモツケ属 細長く垂れ下った枝に白い花がたくさん咲く様は、まさに雪が積もったようだ。花は径1センチくらい、白色5弁で風に散った小さな花弁は米粒を蒔いたようように散乱するのでコゴメバナ、コゴメザクラとも言われる。中国原産の落葉低木とされるが、江戸時代にはすでに庭木として鑑賞されていた。花言葉は殊勝。

▼戦争は続く。米軍の戦車隊はバグダッド市街に入り、きょう大統領宮殿を占拠した。あっという間の行動だった。 奇想天外に見える出来事は、あらかじめシナリオライターによりセットされていたようにもみえてくる。
▼バグダッド市街は、チグリス・ユーフラテス川を挟んで東側が一般人の多く住む住宅街、西側は大統領宮殿や共和国防衛隊など権力を象徴する建物が集まっている。爆撃は主に西側に向かって行なわれ戦車隊は最大の象徴である大統領宮殿を占拠した。「これは対岸の市民に見せるショーのような攻撃です」と指摘したのは中東調査会客員研究員の大野元裕氏だ。なるほどそうか、と納得する。川を挟んで家の中から戦況を注視する市民はいわば観客である。その前で、舞台に上がった米軍は舞台中央の最大の装置(大統領宮殿)を占拠する。いままで自分たちに重くのしかかっていた鉄槌がいとも簡単に崩れ去るのを見て観客は呆然とする。そして、劇は間髪入れず次のステージに突入する・・・・・

突然の空爆、キノコ雲・・・・この演劇のストーリーは単純明解なハリウッド型だが、それぞれのシーンではか細い観客の心を抉る鋭利な心理劇のからくりが隠されている。へとへとになった観客はやがて舞台にあがることになるだろう。その時、演出家は何を考えているのか。果たしてこの劇場戦争は最後までシナリオ通りに進むのか。いつどんな形で幕を引くのか・・・・ 

                     2003年4月8日                  
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