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満開の花水木                  4月27日

 ハナミズキ (花水木)/ 別名アメリカヤマボウシ。高さ4〜5mになる落葉小高木。枝は横に広がり短く分枝し階段状の樹形となる。原産地は北米東部、メキシコ北東部。明治45年に尾崎行雄東京市長がアメリカに桜を寄贈した謝礼として日本に送られた。木の皮を煎じた汁が犬のノミ退治に効があるといわれドッグ・ウッドとも呼ばれている。果実はやや苦味があり果実酒にいい。


▼くぐり抜けた花水木   小椋桂

  その花の道を来る人の
 明るい顔の不思議さに
 くぐりぬけて見る花水木 

 あれほど疲れていた僕が
 なぜか夢でもみるような
 まどろむ光の花水木

 そのあざやかさは何もかも
 捨て去ってきたこの僕の
 旅を見下ろす花水木
  なぜか君のことを考えてます  

▼ 
梅が去り、桜が去ったその後にそれを待っていたかのように花水木の花が一斉に開き街は華やぐ。桜の返礼として花水木を選んだ100年前のアメリカの人々は、開花の時期にまで心を砕き、花水木を選んだのだろうか。
▼花びらのように見えるのは4枚の大きな総苞(そうほう)で、その中心部の雄しべのようにみえる緑黄色の部分が花である。ひとつの花の形は硬くおおざっぱであり、繊細な桜の花とは対照的だが、樹全体に散りばめられた全体像はどちらも同じ華やかさがある。秋には見事な紅葉をみせてくれ、晩秋から冬にかけては可憐な赤い実をつける。それぞれの姿が日本の四季に見事に溶け込んでいる。
▼贈り物として花水木を選んだ100年前のアメリカの人々の腐心に思いを馳せる時、その奥深さに頭を下げたくなる。日本に最初にやってきた花水木は今も東京・日比谷公園にあるそうだ。一度訪ねて、またその姿を紹介したい。
















                      
                  2003年4月27日        
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