葉っぱのフレディ (1)
5月5日
ヤグルマソウ (矢車草)/キク科ヤグルマギク属。正式には矢車菊という。花がコイノボリの柱の矢車に似ていることからその名がついた。ヨーロッパ東部から南部、西アジア地方に分布する一年草。
古代エジプトのツタンカーメン王の墓の調度品の模様にもこの花が
描かれていた。日本には江戸時
代中頃に入ってきた。
花言葉は、独身生活、優雅、デリカシー。
▼「こどもの日」 には、レオ・バスカーリア作の「葉っぱのフレディ」(童話屋)を写しとりたい、と思っていた。
☆ 春が過ぎて 夏が来ました。
☆ 葉っぱのフレディは この春
大きな木の梢に近い 太い枝に
生まれました。
そして夏にはもう 厚みのある りっぱな体に成長しました。
五つに分かれた葉の先は 力強くとがっています。
☆ フレディは 数えきれないほどの
葉っぱに とりかこまれていました。
はじめフレディは 葉っぱはどれも
自分と同じ形をしていると思っていま
したが やがて ひとつとして 同じ
葉っぱがないことに気がつきました。
となりのアルフアベット 右側のベン
すぐ上のクレアは女の子です。みんな春に生まれていっしょに大きくなりました。春風にさそわれて くるくる
踊る練習をしました。日光浴のときは
じっとしているのがよいということも
覚えました。夕立がくるといっせいに
雨に体を洗ってもらいました。
☆ フレディの親友は ダニエルです。だれよりも大きくて、昔からいるような顔をしています。
考えることが好きで 物知りでした。 ダニエルはフレディに いろいろ教えてくれました。フレディが木の葉っぱだ ということ。木の根っこは 地面の下にあって 見えないけれど 四方に張っていて だから 木は倒れないこと。目の下にあるのは公園で おはようとあいさつにくるのは小鳥
たちであること。月や太陽や星が 秩序正しく 空をまわっていること。そしてめぐる季節のことなど みんなダニエルが教えてくれたことです。
☆ フレディは「葉っぱに生まれて
よかったな」と思うようになりました。
友だちはたくさんいるし 見晴らしはよいし 枝はしなやかだし その上
風通しも日当たりも申し分なく お月
さまは銀色の光で照らしてくれるからです。
☆ 夏になると フレディは ますます
うれしくなりました。お日さまが早く昇って おそく沈むので たくさん遊べます。かんかん照りの暑さは なんて
気持ちがよいのでしょう。夜になって
も 昼間の暑さが残っているのです
から フレディは気持ちがよくて
夢をみている気分です。
☆ 公園に 木かげを求めて 大ぜいの人がやってきました。
ダニエルは立ち上がり「さあ 体を寄せて みんなでかげを作ろう。」と
呼びかけました。
フレディは ダニエルに たずねました。「どうして そんなことをするの?」するとダニエルは「暑さから逃げ出してきた人間に 涼しい木かげを
作ってあげると みんな喜ぶんだよ。」と言いました。ダニエルの言ったとおりでした。木かげに おじいさんやおばあさんが 集まってきました。子ども達も来ました。お弁当を広げる人もいます。フレディたちは 葉っぱをそよがせて 涼しい風を 送ってあげました。
「フレディ これも葉っぱの仕事なんだよ。」
☆ ダニエルの話を聞いて フレディはますますうれしくなりました。老人たちはl木かげから出ないで小さな声で 昔の思い出を話しているようです。子どもたちは 木に穴をあけたり 名前をほったり いたずらもするけれど 笑ったり走ったり 生き生きしています。 (つづく)
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