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   葉っぱのフレディ (4)         5月8日

☆ 次の朝は雪でした。初雪です。やわらかで真っ白でしずかな雪は じんと冷たく身にしみました。その日は一日中どんよりとしたくもり空でした。日は早く暮れました。フレディは自分が色あせて枯れてきたように思いました。冷たい雪が重く感じられます。

☆ 明け方 フレディは迎えにきた風に乗って枝をはなれました。痛くもなく こわくもありませんでした。 フレディは 空中にしばらく舞って それからそっと地面におりていきました。
☆ そのときはじめてフレディは 木の全体の姿を見ました。なんてがっしりした たくましい木なのでしょう。これならいつまでも生きつづけるにちがいありません。フレディはダニエルから聞いた
いのち”ということばを思い出しました。いのち”というのは 永遠に生きているのだ ということでした。
☆ フレディがおりたところは雪の上です。やわらかくて 意外とあたたかでした。引っ越し先は
ふわふわして居心地のよいところだったのです。フレディは目を閉じ ねむりに入りました。

☆ フレディは知らなかったのですがーーー
冬が終わると春が来て 雪はとけ水になり 枯れ葉のフレディは その水にまじり 土に溶け込んで 木を育てる力になるのです。

☆ いのちは土や根や木の中の 目身は見えないところで 新しい葉っぱを生み出そうと 準備をしています。大自然の設計図は 寸分の狂いもなく いのちを変化させつづけているのです。    また 春がめぐってきました。

    ※「葉っぱのフレディ」(レオ・バスカーリア作 童話社)より
                  2003年5月8日        
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