1月19日 ⇒ 1月20日

サイネリア(シネラリア)/キク科サワギク(セネシオ)属。カナリア諸島原産。明治の初めに渡来。鉢一杯に咲く鮮やかな花が好まれる冬春の鉢花。花の色は豊富で、紅桃、青、紫、黄、白の他、蛇の目柄の複色などもある。花の大きさも直径7cmほどの大輪から2〜4cmの小輪まで多様。大輪品種は花の数が少なく、小輪品種はたくさんの花を着ける。本来は多年草だが、夏越しが困難なので一年草として扱う。 
 「シネラリア」という名前は、旧学名のCinerariaからきている。
 学名のSenecioは、ラテン語で「老人」という意味の「セネックス」に由来している。花後にできる冠毛が老人の頭に似ているところから名付けられた。フウキギク(富貴菊)とも言うが、花屋ではサイネリアが一般的。シネラリアのシネが「死ね」と同音なので縁起が悪いからだ。蕗菊(ふきぎく)、蕗桜(ふきざくら)とも呼ばれる。富貴菊は牧野博士、蕗桜は松村任三が命名した。

花言葉は、常に快活・望みある悩み・いつも喜んで・・・

▼1月19日。44年前の1960年のこの日、日米安全保障条約改定の調印が行われた。昨年のこの日、世界各地でイラク戦争に反対する大規模のデモが行われた。そして今年、19日の朝、陸上自衛隊の先遣隊の隊列が陸路で国境を超えてイラクに入りサマーワを目指して、イラクを出発した。丁度一年前、米軍が受けたように陸上自衛隊の隊員たちも砂嵐の攻撃に悩ませながら行軍をすることになる。
▼先遣隊の隊列が動き出してまもなく日本では、第159通常国会が召集され、小泉首相が施政方針演説を行った。その冒頭、首相はいきなり孟子の言葉を引用した。「天の将(まさ)に大任をこの人にくださんとするや、必ずまずその心志を苦しめ、その筋骨を労せしむ」
・・・・なぜ、あえて孟子を引き合いに出したのだろうか。あの満州建国のスローガンとなった「王道楽土」、「王道」は孟子から取り、「楽土」は詩経から取られたものだ。「王道」というフレーズは当時、不況の中で行き詰った日本社会を熱狂させた。人々は「王道」という名のもとにユートピアを満州で実現するはずであった。しかし、結果として導いたのは剥き出しの侵略だった。なぜ、今、首相の脳裏に孟子が過ぎったのだろうか。さらに演説の最後には孟子が仇敵とした墨子のフレーズも登場し、憲法全文の一フレーズの挿入で演説は締めくくられた。
▼ 国会で首相が演説をしている最中、陸上自衛隊先遣隊の30人が分乗する軽装用機動車と四輪駆動車の7台は隊列を組んで砂漠を北上し続けていた。その途中、どんなトラブルがあったのか報告されていないが、彼らがサマワに到着したのは、予定より7時間遅れた深夜だった。イラク入りした最初から危険度の高い夜間走行という想定外の事態に直面した。
▼ 陸自の先遣隊がサマワに到着したちょうど同じ頃のアメリカ・ニューヨーク国連本部。米英の暫定占領当局(CPA)のブレマー代表の訪問を受けたアナン事務総長はブレマー代表の余りにも謙虚な姿勢に驚いていた。当然、アメリカは「イラク統治は米英軍が主体となってやる」という高慢な態度を示すものと思っていたのだが、ブレマー代表は、いまのイラクの治安悪化、シーア派との軋轢から抜け出すには国連の「仲介」がぜひとも必要だと強く求めた。風向きが変わりつつある、アナンは確信した。
▼さらに同じ頃のアイオワ州のデモイン。大統領選挙のスタートとなるアイオワ州の民主党党員集会でケリー上院議員がトップで勝利を収めた。フセイン拘束でブッシュ優勢と伝えられた大統領選挙はケリー氏の上昇で、再び民主党優勢に傾きつつあるという。
来年の1月19日、この日、米国大統領の就任式がある。
▼バラバラに進む出来事が、後で振り返ると大きな意味を持って繋がってくることがある。1月19日から20日の様々な出来事、どんなパズルの解答が用意されているのか。

                      2004年1月19日〜20日