みかんの花が咲いていた 5月6日
ミカン(蜜柑) 花言葉は、あなたは純潔です・花嫁の喜び・清純 。
ミカンの木の花言葉は、寛大
ミカンの花の花言葉は、清浄
▼ みかんの花の甘酸っぱく芳ばしい香りに引き寄せられるように、瀬戸内の故郷に立ち寄った。実家の隣の畑に植えられた3本のみかんの木が白い花を咲かせている。このタイミングで帰郷するのは十数年ぶりではないだろうか。体の奥深くに眠っていた遠い昔の記憶が呼び覚まされるような気がした。そういえば、故郷を離れてからも、どこかの街を歩いていると時折、不思議になつかしい思いにかられることがあった。ひょっとしたら、近くにみかんの花が咲いていたのかもしれない。そのあまずっぱい香りの粒子が鼻の中の臭細胞をつっついて、いつのまにか故郷のことを思い出していたのかもしれない。
▼ふるさとの家で今年二十歳になる姪が彼氏を連れてやってきた。二十六歳の理髪師、サッカーの中田に似た落ち着きのある青年だった。青年は、いまはチェーン店の一つをまかされているが三十歳までには自分の理髪店を持ちたい、と堂々と語った。
▼姪はこの青年と秋には結婚したいと言った。姪の祖父と祖母は「まだ早いのでは、そんなに早くから苦労することもないだろうに」と当惑顔だが、姪の意思は固い。「いま、機会を逃したら一生,結婚できないような気がする。」と決意を語る。青年は一生懸命、安定した風情を演出し、自分の将来の設計を語っていく。その懸命な思いが眩しかった。
▼一時間近く話をきいただろうか、二人を見送って、玄関にでた。闇夜にみかんの花の芳香が広がっていた。
▼みかんは、その清純な花を終えると、緑色の小さな実をたくさんつける。これをつみ取って少しだけ残す。実が多すぎると、小さな実しかできないからだ。秋、大きな実を色づかせるまで、この摘果(てきか)は数回続けられる。
みかんの花咲く丘 (作詞 加藤省吾 作曲 海沼実 : 昭和21年夏 )
(1) みかんの花が 咲いている
想い出の道 丘の道
はるかに見える 青い海
お船が遠く かすんでる
(2)
黒い煙を はきながら
お船はどこへ 行くのでしょう
波に揺られて 島のかげ
汽笛がぼうと 鳴りました
3) 何時(イツ)か来た丘 母さんと
一緒に眺めた あの島よ
今日もひとりで 見ていると
やさしい母さん 思われる
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