ある批評家への批判 2005年5月2日

 キンポウゲ(金鳳花)/キンポウゲ科キンポウゲ属。。黄金色に輝くその色から名付けられた。別名をウマノアシガタ(馬の脚形)ともいう。根生葉を馬のひづめに見立てたというが、あまり似ていない。北海道南西部以南の日本全国から朝鮮・中国に分布する多年生草本。水田のあぜ道、適度に湿った路傍などに普通に生育する。全体に毛が多い。
 キンポウゲの仲間には有毒植物が多く、ウマノアシガタも有毒である。間違って食べると下痢をおこしひどい目にあう。花言葉は、富への欲望(英)、批評(仏)


▼遠い昔、畦道に咲く黄金色の小花を口にしてひどい目にあったことがある。あれはウマノアシガタだったか、キツネノボタンだったか・・・最近、キンポウゲ(ウマノアシガタ)の花言葉がフランスでは「批評」だと知った。

▼近頃にわかに厳しいテレビ番組批判を展開する、老練な批評家。なぜそんなに突如として辛口に転じたのか、凡庸な制作者にはその真意はわからない。

▼世界毒舌大辞典から・・・・・・


◇ 批評家の4分の3は比較することで職務を果たしている。彼らは自分たちの見ているものを描くのではなく、それを自分達が若い頃見たものに比較するのである。(そして昔のものの方がいいと言うのだが、それは彼らが若かったからだ。)彼らは何も分析せず、同僚の意見に反駁する。(ポリス・ブイアン)

◇一冊の本を作るのに3年かかる。それを茶化したり、間違った引用をするのには5行で足りる。
(アルベール・カミュ)

◇あなたが500ページ書いたとする、批評家はそれを題材として50行書く、その文章の目的は何よりも、彼があなたよりも頭がいいことを示すことであり、もし彼があなたの本を書いたとしたら、もっと才能を示しただろうということを言外ににおわせる。それならなぜ批評家はまず本を書いてみなかったのか。(ガブリエル・シュバリエ)

◇批評は簡単だ。そして批評家は安楽な暮らしをしている。(ジュール・ルナール)



▼毒舌辞典を書き写しながら、ふと、こんなことをしている自分こそ、批評家の俗物根性にまみれてしまっているではないか、と気付く。   やめた。



▼毒舌辞典のページをぱらぱらめくる。
 ニーチェの言葉が飛び込んでくる。

 ◇もっとも良い作者とは文学者であることを
   恥ずかしく思っている人間だ。






                      2005年5月2日