芥川竜之介「侏儒の言葉」を読む C
2006年1月23日
「侏儒の言葉」は必ずしもわたしの思想を伝えるものではない。ただわたしの思想の変化を時々窺わせるのに過ぎぬものである。一本の草よりも一すじの蔓草、ーー、しかもその蔓草は幾すじも蔓を伸ばしているかもしれない。 芥川竜之介
暴力
◇人生は常に複雑である。複雑なる人生を簡単にするものは暴力よりほかにあるはずはない。このゆえに往々石器時代の脳髄しか持たぬ文明人は論争より殺人を愛するのである。
◇ しかしまた権力も畢竟はパテントを得た暴力である。われわれ人間を支配するためにも、暴力は常に必要なのかもしれない。あるいはまた必要でないのかもしれない。
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