競演 <桜と椿>
2007年4月3日
団地の小さな椿園の、小さな空を、
淡い白雪が埋め尽くしている。さすがの紅姫も圧され気味で、きょうは控えめに様子を窺っている。まもなく、その淡雪は、いちじんの風と共にあっというまに過ぎてゆくだろう。
そのあと、再び広がる青い空に、にょっきり顔をだした紅姫は、やや当惑気味にこう呟くだろう。
「あの束の間、いったい、何だっだのかしら。夢かもしれない。」 吹雪となってあっという間に過ぎ去った淡い花群れ、椿姫は追慕と共にその後の季節を巡る・・
2007年4月3日