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        "私の桜"  定点観測F 

        2008年8月31日            


▼猛暑の中で、桜の青葉は焦げた。枯れるとは、焦げることだと教えてくれる。

▼夏の熱い太陽の光を浴びて植物は大量の酸素を生産する。その酸素によって我々動物は呼吸できる。しかし、その酸素は一方で、引火性の強い物質であることを忘れてはいけない。

▼およそ200年前、酸素の存在を発見したジョセフ・プリーストリーはこう報告している。
「ロウソクがこのガスによってあまりにも早く燃え尽きてしまうように、私たちの人生もこのガスによって燃え尽きてしまうかもしれない。」 
プリーストリーの予言はその後、実証されている。

▼私たち動物の体は酸素が不可欠である。
燃えやすい酸素は体内で栄養素を燃やし活動のエネルギーを生み出す。
 しかし、その一方で、酸素は、生体の組織そのものを燃やしてしまう危険もある。この酸素障害を防ぐために動植物の細胞にはSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)と呼ばれる酵素がある。この酵素の能力以上の活性酸素が体内にあふれると細胞は焦げついてしまう。


▼太陽のエネルギーをいっぱいにに受けて、新鮮な青葉から大量の酸素を吐き出した桜の木は、夏の終わり、自ら吐き出した酸素により身を焦がす。

▼体内に溢れる活性酸素を押さえる酵素、SODは年とともに働きが弱る。リューマチやガンもSODの衰えと関係があるそうだ。老化はこうしてはじまる。

▼今年の猛暑の中で、私の顔もすっかり焼け焦げてしまった。帽子をかぶっておけばよかったのだが、頭が大きすぎて合う帽子がない。嘘のような本当の話である。

そういえば、最近、外に出るとすぐに日焼けするようになった。SODの衰えと関係があるのだろうか。



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2008年8月31日