<最終更新日時:

   ヒガンバナ(彼岸花) 
           ヒガンバナ科ヒガンバナ属  

ヒガンバナ(彼岸花)/ヒガンバナ科ヒガンバナ属。花が彼岸の頃に一斉に咲くのでこの名前がついたが、マンジュシャゲ(曼珠沙華)ともいう。マンジュシャゲとはサンスクリット語で「天上の花、赤い花」。昔から墓場に多いので「死人花」「地獄花」「幽霊花」とも言われる。英語では、spider lily(蜘蛛百合)と呼ぶ。彼岸花は夏から秋にかけて、先ず花茎が伸びて花が咲き、それから葉が出てくるというおもしろい性質を持つ。古い時代に中国から渡来してきた。
 デンプンの含量が高く、昔は水洗いして毒を除いてから食用とした。中国から渡来した理由は、縄文時代に、飢饉の時に使う救慌植物だったからだと考えられている。花言葉は、悲しき思い出・恐怖・陽気な気分。




▼ 彼岸花は種子をつけることができない。染色体のまとまりが三組ある三倍体だからだ。種子が種をつけるためには、花粉(♂)と種子(♀)とに染色体を二分する必要がある。そして、花粉と胚珠とが受精することで、元の染色体の数になるのである。そのため、正常に種子を作るためには、奇数では都合が悪いのだ。だから三倍体の植物は正常に種子を作ることができない。

▼そのため彼岸花は球根が分かれて増えていく。増えた彼岸花はすべて親と同じ性質を持つクローンで、日本中の彼岸花は同一のクローンだと考えられている。全国各地、田んぼのあぜ道は河の土手に咲く彼岸花はかつて誰か人の手によって植えられたもので、遡れば縄文時代の同じルーツを持つクローンである。(出典「身近な雑草のゆかいな生き方(稲垣栄洋・草思社)

                          2003年9月26日
トップページにもどります