サルビア シソ科アオギリ属
ブラジル生まれの多年草で、熱帯では低木のように大きく育つが、日本では冬が越せないので、一年草として栽培されている。花言葉は、燃える思い
▼燃える思いを花言葉に持つサルビアと聞くと、自然とこのメロディーを口ずさんでいる。
いつもいつも思ってた サルビアの花を あなたの部屋の中に 投げ入れたくて
そして君のベッドに サルビアの赤い花敷きつめて 僕は君を死ぬまで 抱きしめていようと なのになのにどうして 他の人のところに 僕の愛の方がステキなのに 泣きながら君のあとを 追いかけて花吹雪舞う道を
教会の鐘の音は なんて嘘っぱちなのさ泣きながら君のあとを 追いかけて
花吹雪舞う道をころげながらころげながら 走り続けたのさ
「サルビアの花」(作詞:相沢靖子/作曲:早川義夫)
歌が生まれたのが昭和47年、当時は歌詞が描く風景を特に気にすることなく歌っていたが、よくよく具体的に描写するとそれはなんともエキゾチックな風景だ。紅いナイフのようなサルビアの花が投げ入れられそれが敷き詰められた風景は狂気に満ちた世界ではないのか。花壇を埋め尽くすサルビアの強烈な赤は圧倒的なエゴイズムに満ちている。鋭利な紅い花々を投げ入れるほどの強烈な片思いを突きつけられると、相手は思わず怖気づいてしまわないか。そうか、だから「サルビアの花」の君の恋は実を結ばなかったのだ。この歌はあまりにも一人よがりな狂気にあふれた心象風景なのだ。
▼ サルビアの強烈な燃える思いには圧倒されっぱなしなのだが、最近、雑草のなかに小さく咲く、か細いサルビアの花一輪を見た。「ああこれくらいが自分には丁度いい。」思わずシャッターを押したその静かな赤が気に入っている。
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