2世たちの桃源郷 A2008年 8月12日青桐 (あおぎり)アオギリ科アオギリ属 落葉高木(15〜20m)。葉がキリの葉に似ていて、樹皮が緑色なので、青桐の名前がついた。葉は大形で扁円形をなし互生し、長い葉柄によって枝先近くに集まり浅く3〜5裂し、もとは心臓形で縁には鋸歯はない。 枝先に大きな円錐花序をつけ、多数の小さな花を開く。果実は5個の分果となり、放射状に開出し、乾いたさやで成熟前に裂開して舟状となり、縁にいくつかの球状の種子をつける。種子は球形。 原産は東南アジア。 楠・樟(くすのき) クスノキ科ニッケイ属 常緑高木。西日本に古くからある。神社などに大木がある。特異な芳香を放ち「臭し(くすし)」と呼ばれそれが語源となった。 別名クス、ナンジャモンジャ。 葉はつやがあり、革質で、先の尖った楕円形で長さ5〜7cm。主脈の根本近くから左右に一対のやや太い側脈が出る、いわゆる三行脈という形である。その三行脈の分岐点には一対の小さな膨らみがあり、これをダニ室という。初夏に大量に落葉する。葉に厚みがあり、葉をつける密度が高いため、騒音低減のために街路樹として活用されることが多い。 枝や葉に樟脳がある。樟脳とは、クスノキから得られる無色透明の固体のことで、防虫剤や鎮痛剤などに使用される。 晩秋、直径7〜8mm程度の球形の果実が黒く熟し、鳥が食べるが、人間の食用には適さない。直径5〜6mm程度の種子が一つ入っている。 ▼中野区の平和の森公園に植えられた被爆クスノキと被爆アオギリの2世の存在を知っている人は少ないだろう。特に宣伝されることもなく、公園には札も立っていない。 ▼昨年、この被爆二世達を紹介して一年がたった。(2007年8月12日 2世達の桃源郷) ▼今年も、人知れず育つ2世たちの前に立った。左の写真のリュックを背負った子の正面が被爆クスノキ2世、青いTシャツの少年の前にあるのが被爆アオギリ2世だ。2002年に移植された木、特にアオギリは去年に比べて大きく丈を伸ばしていた。 ↓今年2008年の被爆アオギリ二世 ↓昨年の被爆アオギリ二世 ▼今年の8月12日は、世界中が沸く北京オリンピックのまっただ中だ。私事で恐縮だが、きょうで私は55歳になった。50歳になるのを契機にはじめたこのHPも、もう5年続いている。最近は、中だるみもしているが、なんとか続いている。この地味な作業から何か具体的な果実が得られたかというと、どうも怪しい。私の性格はますます偏狭になり若い人に疎んじられるようになっている。漫然と年を重ねていくことへの恐怖は大きくなるばかりだが、それを払拭する将来展望はいまだ開けない。仕方ないから、カメラを持ってウロウロしている、と言ったほうが正確かもしれない。 ↓今年2008年の被爆クスノキ2世二世 ▼被爆クスノキ2世、背丈は余り伸びていないようだが、その鬱蒼とした葉の数が去年より圧倒的に多い。枝振りがよくなった。そこから、しっかりと大地に張り巡った根の風景を想像できる。たくましくなった。そんなことを思いながらシャッターをきる。この単純な時間つぶしのなかにも、それなりの充実感が沸き上がる。 これでいい。 |
2008年8月12日 |