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2014年01月12日

●吾も赤いぞ!!

吾木香・吾亦紅・割帽額・地楡(われもこう) Sanguisorba officinalis
バラ科ワレモコウ属

 学名のSanguisorbaは、ラテン語で「血」を意味する言葉と「吸う」を意味する言葉を組み合わせたもの。なんだか恐ろしい名前だが、古くから止血薬として用いられていたところから名付けられたらしい。漢方では「地楡(ぢゆ)」、葉が楡(にれ)に似ているところから名付けらした。その根を煎じた汁で口内炎や喉の痛みの時のうがい薬に使われる。
 花びらのように見える部分はガク。花びらは退化している。
ワレモコウの花言葉は、感謝・変化・愛慕

▼年始、あるトップリーダーの年頭挨拶で取りあげられた、ひとつのデータを聞いた時、秋の野辺に咲くワレモコウの姿が頭に浮かんだ。季節をはずしているが、花写真をとりだした。

▼年頭挨拶で紹介されたのは、TBS調査情報2014・1/2「新しい大人社会の到来世代調査から見える明日への『掛け算』」(著:博報堂新しい大人文化研究所所長阪本節郎) 超少子高齢化社会に向けて人口構造が劇的に変化する時代を眺望したものだ。
▼昨年の9月現在で、総人口は約1億2700万人、うち成人は訳1億5000万人。そのなかで、50歳以上は5700万人で「大人の2人の1人は50才以上」、40才以上になると7503万人で「大人の10人に7人は40才以上」となる。これが東京オリンピックの行われる6年後の2020年には「大人10人の6人は50代以上」、「大人の10人に8人が40歳以上」という。ちなみに2014年の日本人の平均年齢は46歳を超えた。
▼この調査は、人口構造の劇的変化を眺望した後、その高齢者たちの意識をあげ、本人たちがシニアと呼ばれることを拒否し、いつまでも自分は若くありたいと願い、積極的に資金運用や消費活動に関わる意識変化が起こっていることを取り上げている。
▼「新しい大人社会」はどうやら、高齢者たちの引退拒否、さらにいえば「稚拙化」「未成熟化」を内在し、これまでの「枯れた老人」の意識を一変しているようだ。

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▼秋の野辺に、ワレモコウが暗紅色の小さな花を咲かせている。ワレモコウは薔薇科の植物である。ワレモコウという名前は、「吾亦紅」とも書く。同じ薔薇科の真紅の薔薇の花のように派手やかな美しさはないが、「俺だって薔薇科だ。俺だって赤いぞ。」とピンとその存在を誇示しているような風情がぴったりだからだ。「吾も赤いぞ」   伸び盛りの若者達、油の乗り切った職場の若手の働きぶりを横目で見ながら「俺だって。」と粋がって見せる自分を思い出すような名前だ。ただ、吾亦紅が花として誇示しているのは実はガクらしい。本当の花はとっくに退化してしまっているのだという。
▼「自分は若い」とピンとするのはいい。しかし、誤解はしたくない。これまでの組織にあぐらをかいてそこで地位保全のためにエネルギーを費やすことはやめなければならない。組織運営は40代前半を核にして、どんどん、新陳代謝すべきだ。そして、われわれ、「新たな高齢者」は、一人一人が自分の中に「ナノ・カンパニー」の旗を掲げ、一人一人が起業し、多彩な社会貢献の道を切り開くべきだと思う。生き方には引退がない。それがワレモコウ精神の神髄だとしたい。

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▼それにしても、東京都知事選の候補者の平均年齢の高齢化が気になる。ここに40歳代の実務家が男女問わず、次々と名乗りを上げてほしい。我々、「新たな高齢者」はそのアシストにまわり、汗をかくのがいい。

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