« 命日の花 2 | メイン | まず咲く花 »

2014年01月15日

●シクラメンの香り

シクラメン/サクラソウ科シクラメン属。
地中海を中心に自生しているが鉢植にされているのは、ギリシャ、トルコ、レバノンに自生するシクラメン・ペルシクムを親として改良されたもの。
花びらが上に反り返るので、篝火に見える事から牧野富太郎博士はカガリビバナ(篝火花)というをつけた。又、「ブタノマンジュウ(豚の饅頭)」という和名もある。これは、原産地の地中海地方で、その球根の形と実際に豚が球根を好んで食べるため、「ブタノマンジュウ(豚の饅頭)」と呼ばれていたのをそのまま訳したもの。
シクラメンの地下茎は、古代ローマではヘビの噛み傷を治す力があると言われ、お守りとして各家庭の庭に植えられていた。
 病気見舞いは「シクラメン」の「シ」と「ク」がそれぞれ「死」「苦」に通ずるとして縁起が悪いと言う人もいる。また、花が炎を連想させると言うことから新築祝いにも不向き。さらに「嫉妬」と言う花言葉もあるため、誤解を招くような相手にに贈らない方がいい。
シクラメン全般の花言葉は、はにかみ・内気・嫉妬・遠慮・切ない私の愛を受けてください・疑惑。

sikuramen2.jpg

▼シクラメンの花には香りがない。なのになぜ、小椋佳は「シクラメンのかほり」という題名をつけたのだろうか・・・

 真綿(まわた)色した、シクラメンほど、清(すが)しいものはない    
 出逢いの時の、君のようです
 ためらいがちに、かけた言葉に  驚いたように、ふりむく君に 
 季節が、頬をそめて、過ぎてゆきました

 うす紅(べに)色の、シクラメンほど、まぶしいものはない  
 恋する時の、君のようです
 木(こ)もれ陽(び)あびた、君を抱けば  淋しささえも、おきざりにして 
 愛が、いつのまにか、歩き始めました

 疲れを知らない子供のように時が二人を追いこしてゆく 
 呼び戻すことができるなら  僕は何を惜しむだろう

 うす紫の、シクラメンほど、淋しいものはない  後ろ姿の、君のようです  
 暮れ惑う街の、別れ道には  シクラメンのかほり、むなしくゆれて 
 季節が、知らん顔して、過ぎてゆきました

 疲れを知らない子供のように  時が二人を追いこしてゆく呼び戻すことができるなら  
 僕は何を惜しむだろう
 


▼シクラメンの花にこれといった香りはない。その事実を小椋佳は知っていたにちがいない。そしてあえて「シクラメンのかほり」とつけた。過ぎ去ったのは厳粛な事実ではなく曖昧な幻影だから。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://seibundoh.com/blog/mt-tb.cgi/20

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)