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2014年01月04日

●「春の妖精」の戦略


フクジュソウ(福寿草)/キンポウゲ科の多年草。雪の中から咲く花。旧暦の正月頃に咲き始め、貝原益軒は福寿草とともに元日草と呼んだ。長寿草ともいう。岩手や青森ではマンサグとかツチマンサクと呼ぶ。「土からまず咲く」の意。
福寿草の花言葉は、永久の幸福・回想・思い出・幸福を招く(日本)・祝福、悲しき思い出(西洋)

▲春を告げる花、福寿草。縁起のいい黄金色の花は、新春とともに、殺伐とした公園に一点の豪華さを演出してくれる。まるでパラボラアンテナのように、冬の太陽の恩恵を一身に集める一方で、その黄金色の花弁は春の大地から生まれ出た新鮮な虫たちを呼び寄せる。まだ、競争相手の出そろわない荒涼とした冬の大地を我が物顔に独占する。また、その可憐な花弁は曲者で、大変な毒性を持つ。だから鹿など里山の動物たちの餌食にはならない。hukujyu2.jpg
▲こうして、春から夏にかけて、存分に光合成をやり遂げる。頭上に新緑が生い茂り、太陽光が遮られる季節には仕事を終えて、夏になると地上部が枯れて、そこから次の初春まで地下で過ごす。
hukujyu5.jpg
▲ほかのものが出そろうよりちょっと先を行くのがいい。そして大勢がやってくるときには、静かに仕事を終えて次に備える戦略が見事だ。今年も荒涼とした冷気の公園の片隅に顔を見せた黄金色の「春の妖精」を見ると、このような生き方を目指したいいとつい思ってしまう。

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