●やわらかい気配り
アリストロメリア/以前はヒガンバナ科だったが、最近アルストリメリア科として独立した。リンネが友人のスウェーデンの植物学者アルストレメールの名に因んで名付けた。特徴は、葉の表裏が逆になっているところ。原種は、チリの砂漠やアンデス山脈の4000mクラスの高所に生存。英名は「インカのユリ」という。日本では1970年代に入り、「ゆりずいせん」の名前で親しまれるようになった。現在、日本で栽培されているものは、オランダの種苗会社が登録したパテントのもののほうが多い。花言葉は「やわらかい気配り」「凛々しさ」「人の気持ちを引き立てる」。
▲見留正璽氏 61歳 逝く。ライターであり編集者であり経営者として皆を率いた。大病と闘いながら、その苦闘の様をおくびにもださず、退院するとすぐに取材で全国を軽やかに飛び回った。1985年に彼が編集制作プロを立ち上げた数年後、本作りを共にした。以来、たまにふらっと会い、ビールを飲みながら四方山話をした。60歳の還暦を前に、果たしてこれからの人生どうすべきかなど、端から見ればどうでもいい贅沢な愚痴を、黙って聞いてくれ、前向きな回答を引き出してくれた。まもなく企画を持って訪ねようとしていた矢先に急逝してしまった。この突然の喪失感はなんだろう。取り残されて呆然とするこの気持ちは子供のころ味わった感覚だ。
▲葬儀は彼が生まれ育った鎌倉で行われた。臨済宗建長寺派の大僧正の荘厳な読経が響き渡る葬場、真ん中にある遺影はそれを楽しむかのような清楚な笑顔であった。取り囲む花園の中の「ゆりずいせん」があなたによく似合った。花言葉は「やわらかい気配り」
人生を存分に楽しんで突然消え去った、あなたのライフスタイルをこれからの範としたい。
深謝!