東大作 カナダからの便り
「岩波新書『平和構築』の出版」
2009年5月28日
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2009年6月19日(来月19日)、私が5年前にNHKを退社してから、これまで行ってきた調査の集大成とも言える本が、岩波新書から出版されることになりました。 > >
本の題名は、「平和構築〜アフガン、東ティモールの現場から」です。 > >
このサイトを通じてお伝えしてきた2008年に行ったアフガンと東ティモールでの現地調査を中心に、「平和構築」という「国家の再建など統治機構の再構築を通じて、平和を定着させる活動」について、これまでの歴史的経緯、その課題と将来性、アフガンや東ティモールなどの試練とそれを克服するための提言、そして日本が「平和構築」という課題にどう取り組むべきか、正面から問おうとしているものです。 > >
この本の中でも紹介されている、私がニューヨークの国連本部PKO局に提出した英文の報告書は、以下のタイトルをクリックすると、取り出せるようになっています。 > >
アフガンについてのレポートは以下のリンクです。 >
> Challenge of Constructing Legitimacy in Peacebuilding: Case of Afghanistan > >
東ティモールについては、以下のリンクです。 >
> Challenge of Constructing Legitimacy in Peacebuilding: Case of Timor-Leste
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さて、上のリポートについての状況を簡単に説明させて下さい。若干、本の宣伝を兼ねることを、お許し下さい。 > >
1)アフガンのリポート > > このリポートを提出した上で、私は国連本部のPKO局 Best Practices
Sectionで、2008年10月8日に発表を行いました。Best Practices Sectionの友人に、「有意義な調査なので、一度 >
是非、発表して下さい」と依頼されたのが、きっかけでした。 > > 発表には、Best Practices
Sectionのスタッフに加え、PKO局のアフガンを担当する政務官のリーダーと、その上司も出席してくれました。40分ほど私が英語で調査の内容を発表し、その後20分ほど、アフガンの平和構築について建設的な議論を行いました。 > >
その後、PKO局のBest Practices
Sectionでは、そのウエブサイトに私のアフガンについてのリポートを掲載してくれました。(09年5月27日現在、リポートは今も、下のリンクのDocument
Type のExternal Referenceを > ク リックすると掲載されています。) > > http://www.un.org/Depts/dpko/lessons/ > >
またPKO局では、重要な文献を、メールを通じて、世界中の国連スタッフに流すシステムがあるのですが、このリポートも世界中の国連ミッションに送ってくれました。 > >
またアフガニスタンの国連組織のNo1である、カイ・エイド国連アフガン特別代表も、「レポートは、今後の戦略を考える上で極めて貴重なもの」と評価してくれ、その補佐官が、アフガンの国連政務官の多くに配布してくれました。またリポートは、アフガン政府の要人にも配布されました。 > >
2)東ティモールのリポート > > このリポートを基に、2009年3月11日に、PKO局のBest Practices >
Sectionで、再度発表を行いました。前回の発表が好評で、「東ティモールの調査が終わったら、また是非発表して欲しい」と、Best Practices
Section が 誘ってくれたことで可能になりまし > た。 > >
このリポートについても、近く同じウエブサイトで掲載される予定です。 > >
なおこのリポートについては、以前から親しくしているネルソン・サントス東ティモール国連大使が、「東ティモール政府にとって貴重な報告書」だとして、東ティモールの大統領、首相、外相、閣議担当国務長官(Secretary
of States for > the Council of
Ministers)などに、リポートを配布してくれました。閣議担当国務長官からは、「極めて具体的で素晴らしい提言に満ちたリポート。感謝している」というメールを頂きました。 > >
また、国連東ティモール統合ミッションの幹部会でも紹介され、その政策を考える上での参考にして頂いています。 > >
しかしこのように、私が単身ニューヨークに通い、国連政務官の協力を取り付け、トヨタ財団に申し込んで、調査費用を頂き、それをもとに、アフガンと東ティモールに危険を犯して調査した内容が、少しでも実際の平和構築に役立つことがあるのか、本当のところは分かりません。 > >
しかし、自分が今できることは、これだけであり、調査したり、その結果を活かして提言したりする作業を、これからも繰り返していきたいと思います。 > >
英語の博士論文の作成や、英語の学会誌の論文など、困難な課題がこれからも続きますが、この本が、そんな道のりを辿り続けための、最初のステップになってくれたらと願っています。
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Daisaku Higashi > Ph.D. Candidate > Department of Political
Science > University of British Columbia
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※ 「草木花便り」の中での東大作の航跡
◇「2004年7月19日 曇天に咲く孤高のひまわり(「夢の誠文堂 店主より)」
◇「2004年8月27日 オークの樹の下で 東大作 カナダからの便り@」 ◇「10月1日 A<誤算>」
◇「2005年1月1日B<私と息子>」◇「2月6日C<出会い>」◇「3月6日D<壁>」◇「5月13日E<年齢>」◇「7月26日F<国連にて(1)粘り>」◇「G<国連にて(2)テーマ>」
◇「2006年2月6日H<カナダと格差>」◇「3月3日I<結果とオリンピック>」◇「10月6日J<カナダと新渡戸稲造>」◇「10月30日K<新しい出会い>」◇「2007年4月27日L<コースワーク終了>」
◇「2007年8月23日M<奇遇と三年>」 ◇「2008年1月5日N<クライマーズ・ハイ>」
◇「2008年2月23日O<カブールからの便り1>」 ◇「2008年5月〜7月Q<アフガンからの便り1>」 ◇「2008年10月21Q<アフガンから東チモールへ>」
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